自分で学ぶテクニカルセミナー:半導体のデバイステスト技術

半導体の検査と評価のテスト技術総集編

生産技術や品質管理で半導体デバイスの評価・検査に取り組んで、日々目標の達成(テストコスト低減やテスト時間の短縮など)に努めている技術者のお役に立ちたいと考えています。


このサイトは創作幸房のテストセミナー資料室のデバイステストシリーズの総集編です。ここでは様々な半導体デバイステストのための基礎技術を取り上げています。

半導体の設計、評価、出荷検査などに量産に必要となる半導体のテスト技術において、オーディオ・ビジュアルなど多くの製品:カメラやパソコン、携帯端末などを構成する標準パーツとして使われている代表的なデバイスのテストを取り上げています。
自己啓発や基礎を学ぶ一環として、DCやAC測定の基礎・入門シリーズにくわえて今回は音声や画像処理の入り口から出口までの代表的なデバイステスト入門を取り上げました。

民生品など多くの製品の半導体テストにも応用できます。生産技術や品質保証など工場での実務にも生かせるかと思います。民生用を中心として様々なデバイスの評価・テストの基本から大切な基礎技術を学んでいきましょう。

テスト仕様は創作幸房の半導体・電子デバイス用の大型自動検査機器の経験から、またデバイス仕様は顧客との同意に基づきカタログなどで公表されている範囲の情報に基いています。また資料に引用される場合はソースを明示の上お使いいただけますようお願いいたします。


このサイトの目次です:


■DACとADCの基本テスト

■組み込みメモリのアルゴリズックパターンテスト

■PLLデバイスの基本構成とテスト

■携帯電話用デバイスの基本構成とテスト



資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。




アナログ・デジタル変換デバイスのテスト

DACとADCの基本テスト

目次:
1.DACの基本テストとテスト設定
2.ADCの基本テストとテスト設定


1.DACの基本テストとテスト設定
 DC基本テスト:
  1.フルスケール電圧
  2.DCオフセット/ゲイン
  3.INL/DNL
  4.単調増加性
 AC基本テスト:
  1.ダイナミックレンジ(SNR/スプリアス)
  2.THD/HD
  3.残留ノイズ






























2.ADCの基本テストとテスト設定

 ADCの基本テスト:
 コードエッジテスト:
  1.ヒストグラム
   (アップランプ波/三角波/サイン波)
 DC基本テスト:
  1.DCオフセット/ゲイン
  2.INL/DNL
  3.ミッシングコード(ランプ/サイン波)
  4.スパークリングコード
 AC 基本テスト:
  1.タイミング
   (変換時間/リカバリ/サンプリング)
  2.ダイナミックレンジ(SNR/スプリアス)
  3.THD/HD
  4.クワィエットコード(残留ノイズ)

注記:SOCなどではチップ間の動作確認などが追加される













































資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。





システムオンチップ(SOC)などの組み込みメモリテスト

組み込み型メモリのテスト


目次:
1. アルゴリズミックパターン例
2. テスタ構成例



1.1 アルゴリズミックパターン例
高速コンバーターなどの小容量メモリ用のテストパターン例です。









2.1 テスタ構成例
高速コンバーターなどの小容量メモリ用のテスタ構成例です。






資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。




PLLデバイスの基本構成とテスト

PLLとは:

PLL(フェイズロックループ)とは位相同期回路(いそうどうきかいろ)とも呼ばれ、入力の周期信号に対してフィードバック制御を行い、基準周波数とVCOなどの別の発振器から位相が同期した信号を出力し、(周波数を)同期させる電子回路です。
入力から抽出加工(波形整形など)したフィードバックと元の信号を加えるなどの操作をすることで、様々な入力信号を安定した状態で作り出すことができます。多様な用途に使用されており、用途によって各種のPLLが開発されています。使用頻度の高い標準集積回路(セルとも)にもなっています。

動作原理は、入力信号を基準周波数として、電圧で周波数を制御するVCO(電圧制御発振器)の出力信号と入力信号の位相差をVCOにフィードバックすることにより、入力信号と出力信号の位相を同期させます。
発信周波数を一定に保つことやカウンタと組み合わせて入力信号の整数倍ので信号を出力することができることから、
用途としては携帯電話や無線機の周波数制御やマイクロプロセッサを外部クロックにより高速化することにも使用されています。


目次:

■PLLテスト入門
1.PLLデバイスの動作と基本構成
2.PLL出力信号波形の取り込み手法
3.PLLデバイスのACファンクションテスト
 ・アイパターン
 ・ライズ・フォールタイム
 ・タイムインターバル
 ・離散フーリエ変換
 ・ジッタ評価
 ・ロックタイム
 ・直交変(復)調法


■テスト手法
1.測定値データの変動
2.スムージング
3.アベレージング

・PLLの動作と基本構成

■PLL(フェイズロックループ)

・PLLの動作と基本構成
入力信号の位相に同期して出力(N逓倍)信号を同期出力する


資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。



PLLデバイスのテスト入門


標準電子回路として使用頻度の高いPLLデバイスの半導体テスタによるテストを学びましょう。

・PLL出力信号波形の取り込み手法

■PLLの出力波形の取り込みは周波数がテスタ装備のデジタイザ(ADコンバータ)
のナイキスト周波数より低ければリアルタイムで取り込み、それ以上の場合は
アンダーサンプリングによりサンプラーかデジタルコンパレータをフロントエンド
として行う。


1.サンプリングによる波形取り込みの基礎

■離散時間システム:デジタイザ(ADコンバータ)のサンプリング周波数で標本化された自然数列n(等時間間隔でサンプリング)として測定演算をおこなう。


2.リアルタイムの信号取り込みの基礎1

■エリアシングフィルタの必要性:信号の高周波成分の折り返しの影響を除く


3.リアルタイムの信号取り込みの基礎2

■サンプリング周波数が入力周波数より大きい場合はナイキイスト周波数までは問題なく取り込みと信号の再現が可能
注:サンプリング周波数の半分の周波数のサイン波まで再生が可能( 2点のデータからフィットするサイン波を再現・計算。ただしサンプリング周波数の1/2まで)それ以上ではエリアシング(計算上も)で折り返された信号と元信号の区別がつかない


4.アンダーサンプリングによるエリアシングの利用

■アンダーサンプリング:サンプリング周波数より高い信号波形を正しく再現するために、コヒーレントな周波数設定(注1)をおこなって折り返しにより波形を演算で再現。


5.アンダーサンプリングによる取り込み波形の並び替え

■アンダーサンプリング:測定演算に必要なサンプル数の波数を取り込む。この波形を再度信号周期内に仮想サンプリングで並び替え(シャッフル演算)て再現する。


6.近接信号の差分抽出とミラーリング信号を利用  

■出力信号と近接するサンプリング周波数で標本化を行い、2波の周波数の差分信号をエリアシングにより抽出する。この差分周波数からfsのミラー信号としてfiを再現する


7.デジタルチャンネルによる信号波形の取り込み1

■デジタルチャンネルのコンパレータの周波数特性がカバーできる範囲の信号ではパーピンタイミングジェネレータにより、信号出力波形をコンパレータレベル、ストロボタイミングの2次元シュムーとしてスキャンして取り込む。波形はPassとFailの境界線として観測される。


8.デジタルチャンネルによる信号波形の取り込み2

■信号周波数がデジタルチャンネルの仕様より高い場合は外付けの高速なラッチ回路と高周波AWGやSGなど
を高精度・高分解能クロックとして使用して2次元シュムーで波形を取り込む。


資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。



PLLデバイステスト


■ PLLデバイステストの項目

・PLLデバイスのACファンクションテスト
 1.アイパターン
 2.ライズ・フォールタイム
 3.タイムインターバル
 4.離散フーリエ変換
 5.ジッタ評価
 6.ロックタイム
 7.直交変(復)調法


・テスト手法の概要



1.アイパターンの測定

■アイパターンの測定では信号波形のパターン依存性、ノイズ、ジッタ、ライズタイム、フォールタイム、レベルの変動などを最大最小値の累積から最悪条件として総合的に判定する。
アイが大きく開くほど信号に対する劣化成分が小さい。


2.ライズ/フォールタイムの測定

■ライズ/フォールタイムの測定ではデジタル波形の、ドライバ特性や非対称性、などを評価する。
10−90%や20−80%などレベルを規定して測定する。
システムのTIM(タイムインターバルメジャメント)機能がカバーできる周波数まではリアルタイムでまたそれ以上はコンパレータや外付けラッチの併用などで2次元シュムーでおこなう。


3. 出力信号周波数の測定

■ライズまたはフォールエッジでのタイムインターバル測定により周波数を測定する。
測定周波数がTIMの仕様を超える場合はアンダーサンプリングで取り込んだ波形を使う。


4. DFT/FFTによる周波数測定

■TIMの仕様を超えた周波数帯域ではアンダーサンプリングで取り込んだ波形をDFT/FFTなどの時間・周波数変換演算を用いて基本波の測定を行う。


5.1 ジッタ評価:タイムメジャメントによる解析

■タイムインターバルを配列変数に取り込み、この時間軸の変化をそのまま周波数領域で振幅・位相、パワーの解析を行う。
これによりジッタの周波数や遷移幅のデータが得られる。
またこれらのデータのなかに振幅の大きな周波数成分があれば、抽出して後述のシステムで測定のタイミング変調に用いれば、変調した基準タイミングテストでが行える。
またサンプル数を多く取り、観測時間を長くすれば周波数の遷移(ドリフト)の解析もある程度可能になる。


5.2 ジッタ評価:アンダーサンプリングによる波形取り込み1

■アンダーサンプリング:サンプリング周波数より高い信号波形を正しく再現するために、コヒーレントな周波数設定(注1)をおこなって折り返しにより波形を演算で再現。


5.3 ジッタ評価:アンダーサンプリングによる波形取り込み2

■アンダーサンプリング:測定演算に必要なサンプル数の波数を取り込む。
この波形を再度信号周期内に仮想サンプリングで並び替え(シャッフル演算)て再現する。


5.4 ジッタ評価:ジッタコンプライアンステスト

■主なジッタの要因:周期性ジッタ/パターン依存性ジッタ/ランダムジッタ


5.5 ジッタ評価:高速PLLのテストの設定例

■外付けラッチなどによるデジタルコンパレータを使用する場合は2次元シュムーを使用する。
(サンプラーを使用した設定例、システムのデジタル信号処理用メモリに直接取り込む。)


5.6 ジッタ評価:デジタルチャンネルによるエッジの取り込み

■ジッタ測定(ヒストグラムから確率分布計算)


5.7 ジッタ評価:デジタルチャンネルによるエッジの取り込み

■パターン依存性ジッタとランダムジッタ


5.8 ジッタ評価:周波数応答の時間遷移

■デジタル信号処理演算:
理想的な出力信号周期の平均値サイクルでのディスクリートフーリエ変換により各周期における位相データを計算する


5.9 ジッタ評価:周波数応答と時間応答のピーク値

■フェイズノイズでは時間領域のピーク値のフェイルを検知できない


6. ロックタイム(引き込み時間)

■デジタル信号処理演算:
理想的な出力信号周期の平均値サイクルでのディスクリートフーリエ変換により各周期における位相データを計算する


7. 直交変復調法

■信号出力の瞬時変動をデジタル信号処理演算で変調(サンプリング周波数との乗算)を行って、2波の周波数の差分信号をローパスフィルタ演算により周波数変化分として抽出する。これによりPLLの動特性を周波数の時間変動として評価できる。
注:アナログの変調手法では近接する2搬送波(信号波)のビート信号(包絡線)の抽出に相当する。


資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。





携帯電話用デバイステスト(QPSK)


通信用半導体デバイスの量産テストに必要な変復調の基礎技術を学びましょう。

■デジタル信号処理の通信編:変復調編
1.QPSKの変調
2.ATEによる変調応用例1
3.ATEによる変調応用例2
4.QPSKの復調
5.ATEによる復調応用例
6.EVMの定義
7.EVMの基本測定例
8.ATEによる側定応用例




■QPSKの変調回路の例




■演算による変調計算(広義のデジタル信号処理)の応用例1




■演算による変調計算(広義のデジタル信号処理)の応用例2



■QPSKの復調回路の例



■ATEによる復調回路の例



■演算による復調計算(広義のデジタル信号処理)の例



■EVMの定義(一般的なQPSK信号)



■送信側のEVM測定例



■演算によるEVM測定(広義のデジタル信号処理)例


資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。





携帯電話用デバイステスト(WCDMA)


通信用半導体デバイスの量産テストに必要な変復調の基礎技術を学びましょう。

■デジタル信号処理の通信編:WCDMAの変調方式
1. 多元接続方式
2. スペクトラム拡散方式(送信)
3. スペクトラム拡散方式(受信)
4. スペクトラム拡散方式の無線伝送1
5. スペクトラム拡散方式の無線伝送2 
6. WCDMAの変調方式1
7. WCDMAの変調方式2
8. WCDMAの変調方式3
9. ベースバンドの機器構成例




■多元接続方式:各方式によるチャンネルの有効利用



■スペクトラム拡散方式(送信):ベースバンドSS信号の変調



■スペクトラム拡散方式(受信):ベースバンドSS信号の復調



■スペクトラム拡散方式の無線伝送1:ダイレクトシーケンス方式による送信構成



■スペクトラム拡散方式の無線伝送2:ダイレクトシーケンス方式による受信構成



■WCDMAの変調方式1:各変調方式のタイプ



■WCDMAの変調方式2:各変調方式の星座標(コンスタレーション)



■WCDMAの変調方式3:WCDMAに使われているHPSK(ハイブリッドPSK)



■ベースバンドの機器構成例


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