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セミコンダクターアイランドは失われたか? 2000年から2010年にかけて、九州の大手半導体メーカーの工場を顧客にテクニカルセミナーやコンサルタントを行っておりました。 その顧客に想定外の変化が起きてしまいました。 私の半導体テスト・計測における得意な技術分野がコンスーマーと通信であったため、特に大きな変化を目の当たりにすることになりました。 先ずはコンスーマーの変化です。国内ではTVのアナログ放送が終わり、デジタルのテクノロジーへの切り替えが進みました。 国外ではまだまだ途上国を中心にアナログ放送の需要はあったのですが、ここでは価格競争に敗れてしまいます。 結果はバイポーラのプロセスの多くが縮小されたり、配置転換となり、CMOSテクノロジーへと大きく様変わりしてしまいました。特に大量生産されていたバイポーラ中心のワンチップTVは消え去ってしまいました。 次にはモーターーコントーローラーです。TVほどではありませんがシェアを失っていきました。ほとんどは価格競争に敗れたと理解しています。製品開発とマーケティングが出身だけに悔しい思いが募ります。 通信でも携帯電話やスマートフォンを見通した戦略を誤ったために海外でのシェアを失ったまま終わってしまいました。国内では先端技術の携帯が特異マーケットして発展したのですが、国外から見ればガラケーと揶揄される結果になっています。 さらに加えていPhoneの追い打ちに合っている状況です。 ゲーム機は独壇場のはずでしたが、スマホへの展開で半導体は足元が揺らいでいます。 結果だけ見るとは大手半導体メーカーが工場閉鎖に追い込まれてしまいました。 下請け業界の影響は言うまでもありません。 私が大手計測器メーカーに席を置いていたころには考えられないような凋落ぶりとなっています。 もちろん全ての分野でシェアを失っているわけではありません。イメージセンサの分野や不揮発メモリなどしっかりと頑張っている分野もあります。 品質面では決して遅れを取ったわけではなく、十分に維持できていたと思いますが、企画・販売戦略に破れたというのがあたっているかと思います。 九州に移り住んだことから、主には生産技術の技術支援の様な形でしか貢献できませんでしたが、販売・企画面での貢献の方法が本当になかったのかと悔まれる現状です。 目の前の回復は多くを望めませんが、未来を向けば種はまだまだ存在します。 ナノテクノロジーや自動車のエレクトロニクス化・ロボット化など多くのチャンスが存在します。 地元からの文化の貢献をライフワークにしながら、お世話になった半導体業界に何らかの恩返しを考える日々です。 |